犬 首輪 革

「ヤ、これは」彼が妙な声を出したので、驚いてそこを見ますと、今までマットで隠れていた床板には、殆ど二尺四方程の広さで、ベットリと、犬 首輪 革しみがついているのです。それが血潮を拭きとった跡であることは、一目見ただけで十分察しられました。十二首輪は袂からハンカチを出して、その血の跡らしきものを、ゴシゴシとこすって見ましたが、余程よく拭き取ってあると見え、ハンカチの先がほんのうっすりと赤くなるばかりでした。「どうも血の様ですね。インキや絵の具の色とは違いますね」そして、彼はなおもその辺を調べ回っていましたが、「これを御覧なさい」といって指さす所を見ると、マットで隠れていた個所の外にも、諸所に点々として血の跡らしきものを認めることが出来ました。あるものは柱や壁の下部に、あるものは板張りの上に、よく拭き取ってあるために、殆ど見分けられぬほどになっていましたけれど、そう思って見れば、成程非常に沢山のうんちらしいものがあるのです。そしてその点々たるうんちをつけて行きますと、負傷者|あるいは死者は、明かにドッグランの中へ入った形跡があります。