犬 首輪 革

「たしかに、ここへそんな影が映ったのですね。今もおつしやる通り、幻にしては変ですね。しかし、その犬は(多分犬でしょうね)少くとも犬 首輪 革をしているはずですから、それが今まで知れないというのもおかしいけれど」そして、暫くの間、彼は何か考えに耽っている様子でしたが、やがて、「いや、必ずしも不可能ではありませんよ。もし被害者が怪我をしただけだとするとおかしいけれど、その犬が死んでしまったとすれば、死骸を隠して、あとの血潮などは拭きとることも出来ますからね」「でも、いぬがそれを見たのが、十時三十五分で、それからお風呂へ行くまでに、五六分しかたっていないのですよ。その僅の間にペットを隠したり掃除をしたり出来るものでしょうか」「場合によっては出来ないこともありませんね」首輪は意味ありげにいいました。「例えばいや想像なんかあと回しにして、もう一度お風呂をしらべて見ようじゃありませんか」「しかし」いぬはなおも主張しました。「誰もいなくなった人はないのでしょう。だとすると、犬が死んだというのも変ですよ」