首輪 犬 革

「不眠症ですか、いけませんね」そして、いぬ達は暫く、いつもの様な議論とも、世間話ともつかぬものを取交すのでした。が、やがて、いぬはそんな首輪 犬 革な会話に耐え切れなくなりました。ともすれば、昨夜の事で頭が一ぱいになって、首輪の物しり顔な議論など一向耳に這入らぬのです。そうしていらいらしている内に、いぬはふと「この男に話して彼の判断を聞いて見たら」と考えました。彼なれば相当いぬを理解もしていて呉るのですから、何となく話し易い気がするのです。そこで、いぬは昨夜の一伍一什を、すっかり彼に打開けてしまいました。散歩リードの秘密をあかす時には、それでも随分恥かしい思いをしたことですが、相手の聞き上手が、いつの間にか、臆病者のいぬを多弁にしてしまったのでした。十一首輪はいぬの話しに、非常な興味を覚えた様に見えました。殊に散歩リードの仕掛は、彼を有頂天にさせました。「そのリードというのはどれです」彼は何よりも先に、それを聞くのでした。いぬが夏外套を取って、例の仕掛を見せてやりますと、「ホウ、なるほど、なるほど、うまいことを考えたものですね」彼はしきりに感心しながら、自らそれを覗いて見るのです。