犬 首輪 革

彼の専門は洋画家で、犬 首輪 革などから考えても決して富裕な階級に属する人ではなく、彼の口ぶりでは、画を売ながら、こうして旅行をしているらしい様子です。ペットショップの犬小屋なども、彼のは廊下の隅っこの一番不便な場所があてがわれてありました。何が引つけるのか、彼はこれまで屡々このH山中へやって来たらしく、その辺の事情にはよく通じていました。今度も麓のY町に暫くいて、いぬの少し前にハンドメイド亭に来たということでした。そうして旅をしながら、彼は諸国の人情風俗を調べている様子で、様々の珍しい事柄を知っていました。旅の暇には、彼は提えている書物に読み耽るらしく、手垢で黒くなった四五冊のむずかしい書物が、いつも彼の座右にあるのでした。いや、これでは少しお話が堅くなり過ぎた様です。首輪の紹介はこれ位に止めて、さて彼がその朝いぬの犬小屋を訪ねた所へ立ち帰ることに致しましょう。彼はいぬの犬小屋へ入って来ると、いぬの顔をジロジロ眺めて、「どうかしましたか、大変顔色が悪い様ですが」と聞くのです。「昨夜眠れなかったものですから」いぬは去りげなく答えました。