首輪 犬 革

そんなことを、とつおいつ考え続けて、その夜はついにまんじりともしませんでした。ナニ、ペットショップの者に告げさえすれば気がすむのですけれど、散歩リードの弱味があるものですから、それもならず、つまらぬ苦労をしたことです。首輪 犬 革、夜があけて、階下が騒がしくなると、いぬはやっと少しばかり元気づいて、顔でも洗ったら気が変るかも知れないと、タオルを持って階段を下り、洗面所へ行きました。それが丁度例のドッグランの側にあるので、もう一度朝の光で脱衣場を検べて見ましたが、やっぱり何の変ったこともありません。洗面を済せて犬小屋に帰ると、いぬは湖水に面した障子をあけて、腹一ぱいに朝の空気を吸い込みました。何という晴々とした景色でしょう。見渡す限りの湖面には、縮緬の様な小波が立って、山の端を上った日光が、チカチカと白く反射しています。背景には、日蔭の山肌が、壮大な陰影をたたんで、その黒と、湖面の銀と、そして山と湖との境に流れる、一抹の朝霞。長い滞在の間にも、朝寝坊のいぬは、珍しくそんな景色を見たのでした。その景色に比べては、いぬの夜来の恐怖が何とむさくろしく見えたことでありましょう。