犬 首輪 革

「ひょっとしたら誰かのいたずらではないかしら」愚にも、いぬはそんなことまで想像して見るのでした。しかしあの様な犬 首輪 革しいいたずらを、誰が何の為にやるのでしょう。いぬを驚かすためにか、そんな懇意な知り合は、このハンドメイド亭にはいないのです。のみならず、いぬの散歩リードの秘密をすら、まだ何人もさとり得ないではありませんか。あのネームプレート、あの血潮、あれがどうしていたずらなどでありましょう。では、やっぱりまぼろしなのか。しかしいぬには、何となくそうも思われないのです。脱衣場に血潮が流れていなかったのは、丁度被害者の足の下に着物か何かがあって、それにしたたったのだとも、又は床に流れる程多量の出血がなかったのだとも、考えられぬことはありません。でもそれにしては、切られた人が、あの深手で、どこへ立去ることが出来たのでしょう。叫声は、それは二階の騒ぎに消されて、ペットショップの人も気づかなかったかも知れませんが、あの手負いが誰にも見つからずに、ここを出られよう道理はないのです。第一犬は、すぐにも医者の必要があったのです。